1/21練習

今日は110分の練習メニューの内、20分間のSmall Side Game(SSG)(*1)を担当。
今日の練習における全体のテーマはキャリアスキルの向上。

弊部ではキャリアスキルのディテールとして、以下の点に拘っている。
●ハンズキャッチ(アーリーキャッチも含む)
●ショートステップで半身以上ズラす
●体の面を相手に向ける
●相手ー自分ーボール(ボールの持ち替え、ボールの持ち方はアメフトライク)
●体を折る(懐を相手に晒さない)
●Hand-offする場合は相手に手を掴まれないように突っ張る時だけ出す(突っ張る際は相手の正中線へ)
●ダウン時はプロテクトボール(体を縦(頭は12時)に使って胸の下にボールを隠す)
●ダウン後は常にキャリア自身のPick&Goを狙う
●Pick&Goが無理ならロングリリース(まず腹筋を使ってお尻を中心に体を折り(ジャックナイフ)、さらに体を縦(頭は6時)にしながら自陣側へリリース)
●SHがボールを捌くまでは上から押さえておく

今日のSSGは上記キャリアスキルをゲームライクな状況下で意識しながらプレーすることを目的にして構成。
人数:10人対10人
広さ:半面(5mラインが仮想ゴールライン)
タックル強度:タッチ
タックラー:タッチ後はパンケーキ(*2)
AT側のアライビングプレーヤー:必要なし
オフサイドライン:キャリアのダウン後に生起
【制限事項】
(AT側)
●上記キャリアスキルのディテールが達成できていなかったらターンオーバー
●プロボールダウン時、コーチが前方にいたらロングリリース、いなかったらPick&Go
(DF側)
●特になし

【実施後所感】
 キャリアスキルのディテールが達成できていなかった際、改善点を明示してターンオーバーにしていたが、特に1年生が同じミスを繰り返しており、改善点を指摘されても表情に困惑の色があった。

よって、一度練習をフリーズ(*3)してディテールを整理。案の定、理解できていなかった。そこで、既に出来ている3年生の選手に即興で説明を行わせた(説明をする側の学びに繋がる)。

その後は全員がディテールを意識したプレーに変わったため、成果あり(言ってすぐ出来るなんて無理なので、成否は不問)。

2分半ほどプレーを続け、それぞれのグループに対し、自分たちでキャリアスキルに関することで改善すべき点を一つ挙げ、それに対する対策を考えるよう委任。今日は2年生が不在だったため、3年生が主体となってディスカッション。

今後、1年生に知識の定着が見えてきたら、学年関係なく発言できるよう、コーチ側がファシリテーターを任命する予定。

*1: SSGとは、使用するコートを小さくして、試合よりも少ない人数で練習すること。
*2: パンケーキとは、うつ伏せでダウンし、一旦背中を地面につけて、再度うつ伏せの状態になり、立ち上がること。
*3: フリーズとは、日本サッカー協会の指導教本にある、シンクロ指導、フリーズ指導、ミーティングの一つ。シンクロは選手がプレーしている最中にコーチングすること。フリーズは一旦プレーを止めて、選手に聞く姿勢を整わせてコーチングすること。

コーチの学び

“指導者は学ぶことをやめた時、教えることもやめなければならない”

ロジェ・ルメール(元フランス代表監督(サッカー))

昨今のスポーツ界では、体罰やパワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどの問題が多発しており、コーチの哲学や倫理、資質、能力に対して大きな疑問が投げかけられています。日本コーチング学会は、”コーチは一層、選手の学びを支援する立場として、自らの学びにも責任をもって取り組む必要がある”と述べています。

ICCE(国際コーチングエクセレンス評議会)によると、コーチの学びは媒介学習と非媒介学習に分けられて理解されています。媒介学習は他者との直接的な関わりによって学びが起きる場のことを意味しており、非媒介学習はコーチング現場で自らの経験をもとに学び、帰りの車中や自宅において一人で考えている際などに起こっている学びのことを言います。中でも、日本コーチング学会によると、コーチの学びにとって重要なプロセスが省察です。省察とは、自らの取り組みを振り返り、自己の能力を開発し続けようとすることです。省察を行う上でどのようなことに着目すればよいのか、これから情報を更新していければと思います。

自己紹介

大学ラグビー部のアシスタントコーチです。(ボランティア)
1980年代生まれ。
ラグビーは大学からスタート。(それまでは空手、サッカー)
2012年に国体(社会人)に出場。
2014年4月からラグビーコーチとしての道をスタート。

【コーチング理念】
☆安全第一
☆自律性の向上
 (主体的に物事に向き合い、問題解決のために考え、決断し、実行する能力)

この理念を達成するたに、日々試行錯誤の連続。
しかし、2016年に仕事の都合で転勤となり、一旦コーチング現場から離れる。
それでもコーチの熱が冷めず。
大学の近くの企業に転職し、コーチを続けることを決意。

2017年春、転職しコーチに復帰。また試行錯誤の日々。
ある日、ある大学院で選手主体のコーチング(アスリートセンタードコーチング)について実践研究している研究室を見つけ、本格的にコーチング学を学ぶため、職場の理解を得て大学院へ入学。

現在はコーチング学の論文を中心に学術的知見を学び、コーチング現場で実践中。
理論を如何に現場で活用するか、現場の問題を如何に理論に繋げるか。
道は長く、一生を懸ける価値あり。

本ブログは自身のコーチング能力の向上に向けた2020年の新たな取り組みです。
コーチングに関わるあらゆる情報をアウトプットすることで、自身の知識の定着と内省に繋げることを目的としています。
(記載内容:コーチング学の学術的知識、日々のコーチングにおける気付き、など)

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